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【鈴木の日常】お盆休みに長野の酒蔵を巡ってきました

どうも、軽バン工房の鈴木です。

え、なんだその自己紹介、何回目だよって思いました? 思いましたよね。毎回思ってください。それがこのブログの唯一の様式美です。

さて、今日は軽バンの話、しません。整備の話も、しません。軽貨物の話も……しません。

「じゃあ何のブログだよ」

いい質問です。僕もたまに分からなくなります。

今日は日本酒の話です。

「お盆休み、どこ行ってきたんですか」

長野です。

「観光ですか、いいですね、善光寺とか」

行ってないです。

「え」

行ってないんです、善光寺。長野まで行って、7年に1度のご開帳とかそういうの一切無視して、僕は何をしていたか。

酒蔵です。2軒はしごしてきました。

小諸と上田です。観光地スルーして酒蔵直行、これもう旅行というより出張です。何の出張だ。誰も発注してない出張です。

長野まで酒蔵見学へ

普段飲んでる日本酒、当然どこかの酒蔵で造られてます。当たり前です。当たり前すぎて、今この瞬間、日本中で誰も驚いてません。誰にも刺さらない情報を今わざわざ書きました。すみません。

でも実際にどこで、誰が、どうやって造ってるか、見る機会ってなくないですか。ないですよね。スーパーの酒コーナーの前で「これは一体誰が……」って探偵みたいな顔してる人、僕は一度も見たことがありません。僕自身もそんな顔したことなかったです。今回、初めてしました。蔵の前で。

せっかく長野まで行くのに飲むだけじゃもったいない、という「もったいない精神」を急に発動させて、酒蔵見学を敢行しました。ちなみにこの「もったいない精神」、普段は1ミリも発揮されません。財布に入れっぱなしの謎のポイントカードは全部失効させてるタイプの人間です。都合のいいときだけもったいながる。

で、今回の2軒。偶然にも、どちらも杜氏さんが女性でした。

杜氏っていうと、僕の中で勝手に「無口な職人さんが蔵の奥で腕組みしてる」ってイメージが完成されてたんです。誰にも確認せず、脳内で勝手に完成させてたんです。行ったら、そのイメージ、秒で崩壊しました。粉々です。木っ端微塵です。イメージ産業に従事してた僕の脳、廃業です。

杜氏さん自ら酒蔵を案内

1軒目、まさかの杜氏さんご本人が案内してくれました。

「え、いいんですか、お忙しいのに」

「大丈夫ですよ」

「大丈夫」って、その一言で僕、もう蔵の奥までズカズカ入っていきました。遠慮のブレーキ、壊れてます。

普段の僕、日本酒の感想、正直2種類しか持ってません。「これうまい」と「こっちもいい」。この2つのローテーションだけで28年生きてきました。語彙力、蔵の中の酵母よりも活動してません。

でも実際に一本できるまで、ちゃんと工程があるんですよ、当たり前ですけど。米があって、水があって、麹があって、酵母があって。温度と時間を人間が管理して、酒になっていく。

話を聞きながら蔵を見ると、いつもの一杯が急に格上げされて見えてくるんです。「なるほど、こういう理由でこの味に……」って、めちゃくちゃ分かった顔してうなずくんですけど。

分かった顔してるだけです。実際は何も分かってません。

家に帰って人に説明しようとしたら、案の定「えーと、麹があって……なんかこう……いい感じに……」で語彙が尽きました。うなずいてただけの人間の末路です。

もう一軒では、まさかの蔵人さんの食堂で宴会

2軒目、これがもう、事件です。事件というほどでもないですけど、僕の中では事件です。

貸してもらったのは、普段、蔵人さんたちが実際に飯食ってる食堂。

「え、ここでいいんですか」

「どうぞどうぞ」

「どうぞどうぞ」って2回言われた瞬間、遠慮という概念、僕の辞書から完全に削除されます。もう住み着く気で座りました。

酒蔵に来て、酒を見て、酒の話を聞いて、最後は蔵の食堂で酒を飲む。

これ、酒蔵見学の正しい姿だと思うんですよ。誰かに認定されたわけじゃないですけど。国とかが「酒蔵見学検定・満点コース」みたいなの作ったら、これ絶対満点です。今、僕が勝手に採点して勝手に満点出しました。信用度、限りなくゼロに近いです。

同じ日本酒でも、造る人によって違う

2軒回って一番面白かったのは、当たり前なんですけど、蔵ごとに考え方も雰囲気もまるで違うってことです。

同じ「日本酒」で括られてますけど、蔵が違えば造り方も違う。目指す味も違う。造る人も、そもそも違う。当たり前のことを、さも大発見のように言ってます。ドヤ顔でこれ書いてます、今。

スーパーで見るときは「一本の日本酒」で終わりですけど、蔵まで行くと、その向こうに人がいるって分かるんです。

どんな人が。

何を考えて。

どんな場所で。

これを知って飲む日本酒、味は変わってないはずなのに、なんか美味しく感じるんですよね。完全にプラシーボです。人間、情報だけで味が変わる生き物です。単純です。単純ですけど、それでいいと思ってます。単純な人間、コスパいいので。

仕事から離れてみるのも大事です

普段は車のことしか考えてません。仕入れて、整備して、納車して。頭の中、軽バンだらけです。夢にまで軽バン出てきます。この間なんて、夢の中で軽バンにオイル交換してました。仕事、夢の中まで追いかけてきます。逃げ場、ないです。

たまには全然違う世界を見るのも大事だなと。

酒造りも、突き詰めれば「ものづくり」らしいです。毎年同じように造れば同じものができる、っていう単純な話でもないらしくて。原料や気温、その年の条件を見ながら人が判断して造る。

車とはまったく違う世界ですけど、現場で仕事してる人の話って、業種問わず面白いんですよね。いい刺激になりました。心から。ここは本当に、まじめに、思ってます。

そして結局、一番印象に残ったのは……

杜氏さんのお話。

歴史ある酒蔵。

酒造りの工程。

蔵人さんたちの仕事場。

――ここまで並べると、いかにも「深い学びを得た大人の休日エッセイ」って感じじゃないですか。僕もそう思ってました、この段落を書き始めるまでは。

でも、最終的な感想、これです。

酒蔵で飲む日本酒、うまい。

以上です。

いや、分かってますよ。せっかく杜氏さんが丁寧に説明してくれたのに、最後「うまい」の一言で終わらせるの、失礼だってことは。分かってるんですけど、うまかったんだから仕方ないじゃないですか。人間、感動すると語彙が退化する生き物なんです。進化論、逆走してます。

お盆休みも終わったので、また軽バンに囲まれる日常に戻ります。

次に日本酒を飲むときは、今回聞いた酒造りの話を思い出しながら、少しだけありがたく飲もうと思います。

少しだけです。

飲み始めたら、たぶん3秒で忘れます。もう今のこの決意すら、若干怪しいです。

以上、鈴木のお盆休みでした。誰も呼んでませんが、拍手のほど、よろしくお願いします。

この記事を書いた人

鈴木 徳俊

軽バン工房の整備担当。学生時代には法曹界を志していたという異色の経歴を持つ。現場ドライバーさんからの信頼が厚く、車のトラブル相談はもちろん、仕事上の悩みまで持ち込まれる存在。
日々、声に耳を傾けながら最適な整備とサポートを行っている。休日はスーパー銭湯や日帰り温泉で、風呂上がりのビールを片手に、笑顔の妻と過ごす時間を何よりの楽しみにしている。

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