無料見積・ご相談はこちらから 03-6425-7797

メール相談

公式LINE

ブログ

お金ブログ

軽貨物業界の「闇」を覗いたら、ただの沼だった件

雑談のつもりが、まさかの胃もたれ案件

先日、修理の相談で来店された軽貨物ドライバーさんと雑談していたときのことです。

某大手通販会社と直接契約している、いわゆる「個人事業主」のドライバーさん。普段こちらが相手にするのは法人契約やリースの話がほとんどなので、個人で直接契約している方の本音を聞ける機会はなかなかありません。

せっかくなので、興味本位で聞いてみました。

「実際、一日どれくらい配るんですか?」

返ってきた数字に、思わず作業の手が止まりました。想像の、さらに斜め上を行く数字だったのです。聞いているこちらの胃が、なぜか先に重くなる現象を体験しました。配っているのは荷物のはずなのに、こちらの体力まで一緒に運ばれていく感じです。

軽貨物業界では「とにかく走る」「とにかく配る」という話自体は珍しくありません。SNSを覗けば「月商◯◯万円」「日額◯万円」という景気のいい数字がいくらでも転がっています。ただし、売上と利益はまったくの別人です。赤の他人どころか、たまに敵対関係にあることすらあります。今回のドライバーさんの話を聞いていても、「すごい数字」の裏には、数字だけでは語れない事情がしっかり張り付いていました。

「初日配完率」という、地味に重い指標

彼が教えてくれたのは、誤配や遅配といったお馴染みの話だけではありませんでした。「初日配完率」という、初めて聞く指標です。

簡単に言えば、その日持ち出した荷物を、再配達なしで一発で届けられた割合のこと。物流側の理屈としては実によくわかります。再配達はコストですから、効率を考えれば「一発で届けたい」のは当然です。

ただ、ここで一つ素朴な疑問が顔を出します。

不在って、ドライバーのせいなんでしたっけ?

受け取る側の生活スタイル、予定、そして何より配達予定日時そのものが平気で前後する仕組み。皆さんも経験ありませんか。スマホで配送状況を確認したら、予定日より早く来ていたり、逆にこっそり後ろにずれていたり。こちらは律儀にその予定に合わせて在宅していたつもりなのに、変更されたことにすら気づかない、というオチ付きで。

その結果が誰の評価に乗るかというと、待っていた側ではなく、運んでいた側。荷物だけでなく、評価まで一緒に運ばされている構図です。これはちょっと、ドライバーさんに同情を禁じ得ません。

「中抜き」という、万能すぎる調味料

そこで率直に聞いてみました。

「そこまで大変なら、佐川さんやヤマトさんみたいな大手の委託案件に移った方が良くないですか?物量的にも同等で、報酬も日額3万〜4万円くらい出るケースもあるでしょうし」

すると彼は、少し笑いながらこう言いました。

「軽貨物会社に所属すると、中抜きされるのが嫌なんですよ」

出ました、中抜き。最近どこへ行っても耳にする、万能調味料のような言葉です。何にでもかけられて、何にでも「悪者っぽい味」を出してくれる。便利すぎて、もはや危険物の域に入りつつあります。

ですが、本当にそれは「抜かれている」だけなのでしょうか。

営業する人。配車する人。教育する人。トラブル対応する人。請求処理をする人。事故が起きたときに飛んでいく人。クレームを受ける人。欠車が出たとき代わりを探してまわる人。

これだけの役回りを全部すっ飛ばして、仕事だけ受け取れるのなら、それは確かに利益率は高いでしょう。ただしその代わり、すべての責任を自分一人で背負うことになります。つまり「中抜き」と呼ばれていたものの正体は、わりと真面目に「保険料」だったり「分業コスト」だったりするわけです。もちろん中には、本当に抜きすぎている業者もいるでしょう。そこは否定しません。ただ、すべてを同じ一言で片付けてしまうと、見えるはずのものが見えなくなる、というのもまた事実です。

一気通貫か、分業か。永遠の利益分配バトル

物流という仕事には、実はそれぞれ畑の違うプロが住み分けています。倉庫業、つまり3PL。大型トラックで荷物を運ぶ陸送会社。そして佐川急便やヤマト運輸といった大手宅配会社。それぞれが自分の持ち場だけに集中し、薄利を積み重ねて生きています。倉庫は保管と仕分けの手数料で、陸送会社は走った距離とトン数で、宅配会社はブランドと配達網の維持費で、それぞれギリギリの利益を絞り出しているわけです。

一方、某大手通販会社のような巨大プレイヤーは、倉庫からラストワンマイルまでを丸ごと内製化することで、この住み分けられていた利益をまとめて自社の懐に収めることができます。倉庫の取り分も、陸送の取り分も、宅配会社の取り分も、本来なら複数のプレイヤーに分配されるはずだった利益が、すべて一社に一手に流れ込む。なんとも夢のある話です。ただし、その夢を見ているのは内製化した通販会社自身であって、現場でハンドルを握っているドライバーは基本的に無関係です。

ところが面白いのはここからです。それだけのプレイヤーをすっ飛ばしているにもかかわらず、私たち一般消費者が支払う送料や商品価格は、別に安くなったりしません。分業だろうと一気通貫だろうと、消費者の支払額は変わらない。つまり浮いたはずの利益は、どこかで誰かの懐にきれいに消えているわけです。

そして極めつけは、その「誰か」がラストワンマイルのドライバー自身とは限らない、という現実です。本来であれば、いちばん現場に近く、いちばん体力と神経をすり減らす配達という工程にこそ、いちばん厚い報酬が流れてもよさそうなものです。しかし実際には、倉庫や陸送といった「裏方」のプレイヤーの方がむしろ安定した利益を確保し、いちばん表に立って汗をかいているはずのラストワンマイル側の取り分が、薄くなっているケースも珍しくありません。報酬の流れ方が、見事に逆転しているのです。

技術は進歩しました。マッチングサービスも普及し、人と人をつなぐコストは確かに下がっています。ただ、ゼロにはなっていません。住み分けの構造そのものは合理的でも、便利になればなるほど、いちばん汗をかいている人の取り分が薄くなる――軽貨物業界を覗いていると、その捻れがうっすらと、しかし確かに見えてきます。

結論:闇というより、ただの「あるある」だった

今回お話を聞いたドライバーさんは、自分の判断で直接契約を選び、その働き方に納得していました。それも立派な正解の一つです。会社に所属して安定を選ぶ人もいれば、独立して利益率を追求する人もいる。どちらが正しいという話ではありません。

ただ一つ言えるのは、外から見える数字だけでは、その仕事の本当の価値も、本当の苦労も分からないということ。そして、胃が重くなるような配達個数の話を聞いた程度で「闇を見た」と騒ぐのは、いささか早計だったかもしれません。

軽貨物業界の闇。そう呼びたくなる気持ちはわかります。ただ私には、闇というよりも、現代の物流が抱える矛盾の断片を、ちょっとユーモラスに見せてもらったような、そんな気がしています。

明日の空が、限りなく透明に近い青色でありますように。

なかじま

中島 一

運送会社の役員として10年以上にわたり物流業界に携わり、3PL事業も展開。物流の上流工程からラストワンマイルまで一貫して対応できる幅広い知見を持つ。
また、行政担当者や各業界の経営者を交えた勉強会を主催し、現場課題から政策動向まで多角的に把握。実務と行政の両面から、物流ビジネスの最適解を探求している。

最新記事一覧

  • 2026.06.20

    お金ブログ

    軽貨物業界の「闇」を覗いたら、ただの沼だった件

  • 2026.06.13

    中古車

    軽バン工房がエブリイをおすすめする理由

  • 2026.06.12

    中古車

    ユーザー買取のヴェルファイアで気づいた売れる車のポイント

  • 2026.06.11

    ブログ

    47歳、大人の障害物競争に参加してみた話

  • 2026.06.09

    ブログ

    「直ってないじゃねーか!」と言われる仕事です

年別アーカイブ

ディーラー・販売店との比較

使用者の名義変更

リースアップ後の残価

月間走行距離

現地納車

軽バン工房F.P

0円

なし

無料(一都三県)

A社

×

あり

あり

有料

B社

×

あり

あり

有料

まずはご相談ください!

迅速な納車と 安心の黒ナンバーリース

軽バン工房FP直通

受付時間9:00〜18:00

03-6425-7797
080-2675-8212

(担当者直)

LINEでお問い合わせ

無料見積もり

軽バン工房FP直通 03-6425-7797

メール相談

LINE相談