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【実態解説】軽貨物の支払いサイトについて

〜60日サイトが基本なのに「即払い」や「週払い」を導入する理由と、その裏側〜


1.まず前提:60日サイトが“普通”な理由

運送業、とくに軽貨物業界では「末締め・翌々月末払い(約60日サイト)」が標準です。
これは「1月に稼働した分を3月末に支払う」形ですね。

この仕組みは、

  • 荷主からの入金が翌々月末になる
  • 運送会社がそれを受け取ってからドライバーへ払う
    という資金の流れに沿ったもの。

つまり会社が意図的に支払いを遅らせているわけではなく、
入金が遅いから出金も遅くなる──それだけの話です。

それでも近年、「翌月払い」「週払い」「即日払い」を打ち出す会社も増えています。
この“支払いが早い会社”には、たしかにメリットもありますが、同時に大きなリスクも潜んでいます。


2.支払いが早い会社の【メリット】

メリット①:ドライバーの生活が安定しやすい

個人事業主のドライバーにとって、毎月の現金回収は命綱。
60日待たずに翌月や週ごとに入金されると、生活資金・ガソリン代・整備費などをスムーズに回せます。

ドライバーにとって「報酬を早くもらえる=安心感」。
特に開業直後や繁忙期前の資金繰りには大きな助けになります。


メリット②:採用力・定着率が上がる

募集広告で「週払いOK」「翌月払い」「即振込可」と書くと、
応募率は確実に上がります。

実際に、ドライバー側は“支払いサイト”を見て会社を選ぶ傾向が強い。
つまり早い支払いは採用面での強力なアピール材料になります。


メリット③:ドライバーとの信頼関係を築きやすい

報酬を早く支払う会社は、「誠実」「信頼できる」と見られやすい。
支払いを待たせないことで、現場の不満が少なくなり、トラブルも減ります。

支払いが早い会社ほど、ドライバーからの信頼を得やすいのは確かです。


3.支払いが早い会社の【デメリット】

デメリット①:資金繰りリスクが極めて高い

最大の問題はこれです。
荷主からの入金は約60日後なのに、ドライバーへは30日以内に払う──
つまり、入金より先に数百万円〜数千万円を立て替えることになります。

1社2社なら問題なくても、契約ドライバーが数十名いれば一気に数千万単位の資金繰りが必要。
この立て替え資金を確保できる会社はごく一部です。

もし荷主の支払いが遅れたり、回収不能が発生した場合、
一瞬でキャッシュが詰まります。

支払いが早い会社ほど、「現金が尽きたら即倒産」の危険性が高いのです。


デメリット②:金融コストが発生する

早期払いを行うには、立て替え資金を準備する必要があります。
多くの場合、

  • 銀行融資
  • ファクタリング(請求書の買い取り)
  • 信販会社経由の前払いシステム
    などを利用して資金を回しています。

これらには手数料・利息が発生します。
そのコストは最終的に「取引単価」や「手数料率」に跳ね返ります。
つまり、支払いが早い=どこかでコストが上乗せされているという構造です。


デメリット③:経営が不安定になりやすい

一度「早く払う仕組み」を導入すると、途中で戻すのはほぼ不可能です。
翌月払いに慣れたドライバーに対して「来月から翌々月払いに戻します」は通用しません。

経営が苦しくなっても、支払いを遅らせる=信用失墜。
つまり、一度早期払いを約束した会社は“自分で首を締める構造”になるのです。

資金繰りが詰まって倒産した会社の多くが、
実は「支払いが早い会社」だった──これは業界ではよく知られた話です。


デメリット④:不正や誤支払いのリスクが高まる

早期払いは、請求内容の検収・確認を簡略化して行われることが多いです。
「とりあえず今週分を先に払う」
「請求確定前だけど仮で入れる」
──このような運用は、ミスや不正を招きやすい。

後日、荷主側で数量差異・返品・キャンセルが発生すると、
ドライバーへの支払いと帳尻が合わず、トラブルに発展します。

スピード重視は信頼につながる半面、精度の低下という副作用も避けられません。


4.支払いが早い会社は「強い会社」ではなく「攻めている会社」

早期払いをできる会社には、いくつかのパターンがあります。

  • 銀行借入枠が大きく、資金体力がある
  • 大手荷主との契約が安定しており、入金遅延のリスクが低い
  • ドライバー獲得を最優先にしており、採算を二の次にしている

この中で健全に早期払いを維持できるのは1つ目だけです。
多くの会社は、採用・競争目的でリスクを背負っている状態。
短期的には魅力的でも、長期的に見ると危険な運営になりがちです。


5.結論:「早い=優良」とは限らない

支払いサイトを整理すると、次のように考えられます。

支払いサイト会社の特徴ドライバー視点経営リスク
翌々月末(60日)業界標準・安定型待ちが長いが確実
翌月末(30日)攻め型・採用重視資金繰りが楽
週払い・即日払い超短期・立替運営すぐ入るが不安定

支払いが早いほどドライバーには優しいように見えますが、
経営リスクが比例して大きくなるのが実情です。

したがって、「支払いが早い=良い会社」とは限らず、
“確実に払える会社”こそ信頼できる会社と言えます。


6.ドライバーも経営の仕組みを理解しよう

ドライバーとしても、
「なぜ60日なのか」「早くするにはどんなリスクがあるのか」を理解しておくと、
会社選びを間違えません。

  • 60日サイト=堅実・確実
  • 30日以内=攻めている会社(体力次第)
  • 週払・即払=資金繰りに要注意

“早い支払い”より“続く支払い”の方が大切
倒れない会社と組むことが、結局は自分を守ることにつながります。


7.まとめ:「早く」より「確実に」。長く走れる会社を選べ

燃料高騰・物価上昇・人手不足──業界全体がコスト増の中で、
現金をすぐに回す仕組みは経営的にリスクが高い。

支払いサイトを60日にしている会社は、
“余裕がない”のではなく、“潰れない設計”をしている会社です。

「支払いが早い会社=良心的」ではなく、
「支払いが遅くても確実な会社=信頼できる」。
ここを見誤らないことが、ドライバーにとっても経営者にとっても最も重要です。

それでは本日も安全運転で!ごきげんよう。

鈴木 徳俊 軽バン工房の機械係
45歳。軽貨物業界の現場を知る一人として、リアルな経験をもとにブログを執筆。日々の業務や業界の動向、事業者やドライバーにとって役立つ情報を発信している。

趣味はスーパー銭湯巡り。日帰り温泉も含めて、ゆっくり足を伸ばしてリラックスした後に、ビールを流し込むことが休日の楽しみ。

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